雑記

【原因と結果の経済学】本紹介1冊目:データから真実を見抜く思考法

今日の記事は本の紹介です。

これもやりたいなぁと思っていて、なかなかやってきませんでした。

本の紹介結構大変なんじゃないかなと思って避けていました。

みなさんんこんにちは&こんばんは。「極小なことからコツコツと」管理人のけんとです。

 

極小なことからコツコツと積み上げていく姿勢にとって、大切な知識ってありますよね。

たとえば、前に紹介したマネーイリュージョンもその一つです。

そこで、紹介する本はできるだけ、その姿勢に対してプラスになるものを選んでいきたいと思います。

 

でも、どの知識・本がコツコツ姿勢にとってプラスになるのかなんでわかるの?

って疑問をもたれるかたもいるでしょう。

暴論ですが、わたしがちょっと読んで見て選んだ本なんで、とっても恣意的ではあります。

フランス文学の本がコツコツ姿勢にとっても役立つんです!ってこともありえますが、どの本を取り上げるかはわたしの好みで選びます(きっぱり)。

もし、わたしの紹介で興味をもたれたらぜひ本を手にとって見てください。

たぶん、このようなブログではなく、きちっとした人物が紹介しているほうが信頼性はますのでしょうが、そこはご勘弁ください。

 

けんと
たぶんわたしも一般的にはよく本を読んでいる部類の人間です。特に、学術書・専門書をですが。

 

今日の本はコレ『原因と結果の経済学』

この記事で紹介する本は、


 


になります。

タイトルは硬いけれども、学術書・専門書・教科書のような本ではありません

学者さんが執筆しているのでやや文章は硬いですが、一般の方に向けてわかりやす行く解説しているビジネス書的な本になっています

著者の中室さんが教育経済学者、津川さんが医療経済学者ということで、教育や医療にかかわるお話が多いです。

 

この本の伝えたいことは、一言です。

因果関係と相関関係は全く別物!

という主張です。

 

これ、頭でわかっていても、完全に理解できている人はほとんどいないと思います。

わたしもデータ分析系で博士号を持っていますが、ときどきこの2つの判断ミスをすることもあります、

 

例えばよくあるお話として、「あのご家庭は✕✕という教育方針を行ったから、ご子息は東大に入れたんですってよ」のような主張がありますよね(よくあるか?わからないけど(笑))。

「✕✕という教育方針」が「東大に入る」という結果の原因であったかどうかってどうやって判断しますか

このようなお話の大抵の場合、原因と結果の関係となっていないことが多いです。

なんでかっていうと、原因と結果との関係を科学的・統計的に立証することはとっても難しいからです。

 

おうおうにして、上の例のようなお話は裏付けもない主張となっているケースが多いんです。

他にも「東大生が教える勉強法!✕✕をすれば成績UP」のようなものも同じだったりします。

(全部がそうではないです。一般的なお話としてここでは言っています)

有名ブロガーがいう✕✕せよ!とか、有名人が教える✕✕法!とかも、その主張が望ましい結果の原因となっているかどうか不明瞭なことが相当多いかと

 

こうした「原因と結果」との考え方を経済学のフレームを用いてこの本では紹介してくれています。

みなさんの認識と全く異なるような原因と結果の関係をデータを元に示してくれています。

たとえば、「検診と長生きとの間には因果関係は無い」などです。

また、この本で書かれているデータ・資料はすべて学術研究雑誌に掲載されたもののみになります。

学術研究も最近だとハゲタカ論文(こちらは京都大学の警鐘ページになります)なども問題化していますが、この本の参考論文はきちんとした学術論文のみで構成されています。

 

けんと
因果関係、相関関係。似て非なるモノです。この本を読んで理解すると良きです!

 

本の構成を簡単に説明します

この本は全部で8章で構成されています。

全部でも190ページ程度の長くない本ですし、噛み砕いた文章となっていてとても読みやすいです。

でも、多分著者は研究者なので、ちょっと硬い書き方と感じるかもしれません。

各章をざっくりと説明していきます。

 

第1章はじめに

この章では「因果と相関」の違いを解説しています。

因果を証明するためには、反事実(counterfactual)の存在が重要と言っています。

さっきの「あのご家庭は✕✕という教育方針を行ったから、ご子息は東大に入れたんですってよ」という主張に戻りましょう。

「✕✕という教育方針」が「東大に入る」という結果の原因であるならば、「✕✕という教育方針」をしなかったご家庭のご子息は「東大に落ちた」ということが確認できているはずです。

この、原因を実施しなかった家庭のことを反事実といいます。

もし、「✕✕という教育方針」をしなかったご家庭のご子息も「東大に入れた」のであれば、「✕✕という教育方針」は「東大に入る」という結果の原因となっていないですよね。

 

けんと
第1章では因果関係、相関関係、そして反事実の解説をしています(ここが超重要)

 

第2章ランダム化実験

ここからはどのようにして反事実を把握するかという方法論のお話になってきます。

第2章ではその方法としてランダム化実験(Randomized Controlled Trial)について説明しています。

有り体に言うと、グループを2つにランダムにわけ、一方になにかを実施(処置群)し、もう一方にはなにもしません(対照群)。

その2グループの経過を観察します。

これがランダム化実験です。

験の中で反事実を作り上げているんですね。

製薬会社などの臨床試験もこの形ですね。

2章では、メタボ検診そするグループとしないグループのランダム化実験事例などを紹介しています。

 

第3章自然実験

第3章は男性医師と女性医師とを比較して、女性医師の担当患者のほうが患者死亡率が低いという研究を紹介しています。

この研究は、自然実験という方法で反事実を作っている事例です。

だれも予想していなかった出来事が一部の人に生じた場合、その影響を受けた人と受けなかった人を比べる方法が自然実験です。

ちなみに、米国の制度はこの反事実が存在できるように設計されていると感じます。

そうしないと、制度(原因)と影響(結果)の関係を立証できないからですね。

日本は全国一律制度だらけなので、制度(原因)と影響(結果)の関係は把握困難なことが多いです。

 

第4章~7章疑似実験

長くなってきたのでざーっと行きましょう。

4章以降は疑似実験という分析手法の紹介になります。

  • 4章 差の差分(Difference-in-difference:DID)
  • 5章 操作変数法
  • 6章 回帰不連続デザイン
  • 7章 マッチング法

小難しい手法名が並んでいますが、すべて計量経済学での分析手法名です。

どれもこれも相関関係ではなく、因果関係を特定するための手法です。

たとえば、6章の回帰不連続デザインを、わたしの過去の記事で事故が株価にどのような影響を与えるかという因果関係の推定に使っています。

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因果関係を検証するためには、「データを工夫する(2章、3章)」か「分析手法を工夫する(4章~7章)」かしかないということですね。

 

けんと
わたしは全分析手法をつかえますので、依頼があれば分析しますよー

 

第8章回帰分析

最後の第8章はおまけの章のような位置づけです。

ここは読み飛ばしても良いかと思います。

えらそうに言ってなんなんですが、この章はなくてよかったのではないかと・・・

せっかく7章までで「因果と相関の違いを把握する」というフレームで本を書いているのに、この8章ではそのフレームは欠落してしまいます。

単純な回帰分析でできることは「相関の把握であり因果は不明」です。

 

けんと
ここはもったいなかったかなぁ。でもとっても良い本であることには代わりはありません。(えらそう)

 

まとめ

最後にこの本のリンクを貼っておきます。


まとめます。

ここがポイント

  • 原因と結果の経済学は読みやすい本です
  • データがどんどん溢れている現代において、因果関係と相関関係の違いを理解することは必須です
  • 1~3章まではとっても大事な概念を学べますので現代人は必読かと
  • 4章以降は個別事例や細かい話なので、必要に応じて読むのが良いかな

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