雑記

【研究室選び】博士課程の指導教員は超重要(その3)

今日の記事は長くなってきた指導教員選び、研究室選びの第3回、最終回です

ここまで読んでいただけた博士課程に進学しようとしている諸兄はかなりの確率で地雷教員を避けれるようになっているはずです。

あともうひと押し!今日の記事のスクリーニングを実践いただければ、ほぼほぼ良い指導教員のみが選択肢として残っている状態になっているでしょう。

みなさんこんにちは&こんばんは。「極小なことからコツコツと」管理人のけんとです。

 

前々回(その1)、前回(その2)の記事はそれぞれ以下になります。

まだご覧になっていない場合は、先にそちらを読んでいただいたほうが今日の記事は理解しやすいかと思います。

できれば前の記事も読んでいたければうれしいです。

 

その1

その2

おすすめ
【博士課程を志す人へ】指導教員選びのサブ的ノウハウ(その2)

今日は、先日に投稿した「博士課程での指導教員の選び方」の続きです。 先日の記事では最重要の選び方を紹介しました。 ↓です。 Scopus (世界最大の学術書出版会社Elsevierが運営する論文データ ...

続きを見る

 

先に結論です。

地雷教員を避ける方法メイン1個+サブ6つをリスト化しておきます

今日の記事はサブ④~⑥の最期の3つの方法の紹介になります。

 

  • メイン Scopus(世界最大の学術書出版会社Elsevierが運営する論文データベース)でその先生の名前を検索する(前々回の記事)
  • サブ①3年以内にIF付き論文が出ているか(前回の記事)
  • サブ②継続して研究費を獲得できてるか(前回の記事)
  • サブ③WEBで情報発信をしているか(前回の記事)
  • サブ④過度に研究以外の業務を行っていないか(今日の記事)
  • サブ⑤ハゲタカ論文を出していないか(今日の記事)
  • サブ⑥学会発表だけ海外で論文は日本語の人(今日の記事)

 

けんと
毎回になりますが、このブログはただの情報提供です。

どう行動するかの判断は自己責任でお願いします。

 

過度に研究以外の業務を行っていないか

4つ目は「過度に研究以外の業務に注力していないか」ということです。

大学教員は裁量労働制なので、いつどこで仕事をしていてもOKです。

本来は、自由な発想のもとで自由に研究をすすめるための裁量労働です。

ですが、その自由さを逆手に取って好き勝手している教員もいます。

 

たとえば、以下のようなケースがあります。

「妻と共同で税理士事務所を設立してそっちばっかりで仕事をする」(実話です)

「芸能事務所に所属し、テレビ出演ばかりを行って大学には全く行かない」(実話です)

「夏休みは稼ぎ時だといって企業の研修ばかりを行っている」(実話です)

 

これらの教員に共通していることは、「アクティブに研究をしていない」です。

日本の制度上、終身雇用ですから残念ながらこういう好き勝手している教員を排除できません。

ちなみに、上のケースはある意味生きていく上でアクティブな人たちです。

なので、話し方などはとっても上手ですし、話していて気持ちがいい人が多いです。

でも、研究者としてはダメダメです。

これから博士課程に進むあなたに必要なのは指導教員の指導力・研究力です

間違えないようにしましょう。

 

わかりやすいのは、自身のWEBページなどで「○○番組に出演!」とか、「✕✕委員を歴任!」など、研究論文よりもそっちを前面に出しているケースです。

そういう研究者は避けたほうが無難です。

片手間でできるほど研究の世界はあまくないので、研究者とタレントなどは両立することはないでしょう。

 

けんと
本業以外に精を出している教員も避けたほうが良いです

 

ハゲタカ論文をだしていないか

5つ目は「ハゲタカ論文(ハゲタカジャーナルに出している論文)を出しているかどうか」です。

ハゲタカジャーナルは、Predatory Journal(捕食学術誌)ともいわれる粗悪な学術誌のことです。

ニュースをよく見ていたかたは、2019年の前半に一気に報道されました。

 

 

これは、米国を含め、世界中の大学教員の雇用制度と密接に関わってくる問題なので、簡単に解消できません。

前回の記事にも書きましたが、大学教員の研究レベルはインパクトファクター付きの論文をどれだけ出せているかで判断されます。

でも、研究者ではない一般人からすれば、インパクトファクターがついている雑誌の論文かどうかなんて判断できません

雑誌名が"Journal of XXXXX Economcis"なんて書かれてたら、かっこよく見えてしまいます。

そこに目をつけたのが捕食学術誌(Predatory Journal)の出版会社です。

(経済学的には情報の非対称性を使ったビジネスですね。この場合は政府が規制をかけることが望ましくなりますが・・・)

 

捕食出版社は名前だけいっちょ前の、自称権威がある雑誌を作ります。

当然のことですが、このような雑誌はインパクトファクターはついていません。

でも、厳密な審査を行っているので権威があると言い張っています。

審査ははっきり言ってザルです。

そして、その論文に掲載するために研究者から20万円とか高額の手数料を取ります。

この高額な手数料を一部の研究者は喜んで払っています。

もちろん、この20万円とかは研究費(=国民の血税)で賄われます。

 

けんと
本当にしつこいくらい捕食出版社から勧誘メール来ます

 

もうおわかりですね。

研究者は研究成果として「権威」のある雑誌に掲載したい。

そして、その権威性は一般人は判断できない。

出版社はお金がほしい。

だから、適当な論文でも審査もせずに自称「権威」がある雑誌に掲載させる。

両者の思わくが見事に合致したビジネスです。

 

適当な研究が加速度的に出回っているというのが現状です。

日本学術会議をはじめ、多数の大学ではこのようなハゲタカジャーナルに投稿しないように注意をしています

でも実際いはいたちごっこです。

作ってはなくなり、作ってはなくなり。

 

酷いケースだと、捕食出版社が形だけ国際学会を主催します。

国際学会はよくハワイなどのリゾート地で開催されます。

そのアナウンスはきっちりとWEBページで紹介されているのですが、いざ当日に現地に行くと誰もいない。

捕食出版社は参加費を研究者からもらってウマウマ。

一方で、研究者は研究費でリゾート旅行にいくことができます。

完全に業者である捕食出版社と研究者が結託しているケースです。

(最近はあまり聞かないですが)

 

 

さて、このハゲタカ論文(ハゲタカジャーナルに出している論文)を出しているかどうかをどうやって判断するか

実際には相当難しいです。

手間はかかるのですが、次の2つの方法があります。

 

 

1つ目のBeall's Listを使う方法が一般的です。

このリストには1,300を超える捕食出版会社、1,500ものハゲタカジャーナルが掲載されています。

もし、指導教員としたい先生の論文が、このリストの中にある雑誌に掲載されていたら・・・

けんと
アウトです!

 

あるいは、前回の記事でも紹介したScientific Journal Rankings (SJR)を使う方法も良いです。

ハゲタカジャーナルはこのSJRには載ってません。

あるいは、載っていても質の低いQ4ランクとされています。

なので、指導教員としたい先生の論文が、このSJRで掲載されていない。またはQ4ランクになっていれば・・・

けんと
アウトです!

 

こうしたハゲタカジャーナルを出しまくっている大学教員は結構います。

そういう教員は科学に対する誠実さ、倫理観が欠落している人です

 

けんと
ハゲタカジャーナルにたくさん論文を出している教員は選んではダメです!確信犯です。

 

学会発表だけ海外で論文は日本語の人

やっと最期の方法6つ目です。

長かったです。

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

 

最期は、「学会発表だけ海外でやって、論文は日本語」というケースです。

先程の5つ目のハゲタカ論文の説明をよんで「ピーン」と来た人も多いでしょう。

ハゲタカ論文は倫理的に責められるので大量に出す人はそんな多くない印象です。

でも、こっちの「学会発表だけ海外。論文は日本語」という人は文系には大量にいます。

理系には少ないイメージです。

 

なんで学会だけ海外で報告して、その論文は日本語で作成するのでしょうか?

せっかく英語で論文を書いて?プレゼンも英語でして?コメントもいろいろもらって?

なんで日本語に戻して論文を書くんでしょうか。

 

ん?怪しいと思った方。正解です。

こういう人、はっきり言って、国際学会参加という名目で海外に遊びに行ってます。

学会が「どこで」開催されるかが大事で、論文を仕上げたり、宣伝したり、議論したりすることはどうでも良い方々です。

自分の発表が終わったら「さようなら、あとは観光しまーっす」って人です。

わたしも博士課程学生のころから、こういう大学教員たくさん見てきました。

 

ハワイで開催された某学会初日の受付にて。

けんと
ああ、隣人Aさん。この国際学会来られてたんですね。ハワイはやっぱりいいですねー
こんにちはけんとさん、お久しぶりです。ハワイ最高っすね
隣人A

次の日

けんと
あれ隣人Aさん全然学会の会場で見ないな。

とまぁ、初日の受付でだけ見て、それ以降会場では見ない人。たくさんいました。

 

なので、指導教員候補の先生の研究業績をざっと眺めてみて「国際学会発表は多いのに、論文をほとんど英語で書いていない」場合はこのパターンに当てはまる可能性大です。

 

けんと
国際学会発表は多いのに、論文はほぼ日本語の教員。ちょっとやばい可能性大ですよ

 

まとめ

さて、第1弾記事で6,300字、第2弾記事で6,000字、そしてこの第3弾記事で6,000字と、合計で18,300字もの長さの記事となってしまいました。

1つの記事にしようか悩んだのですが、回数稼ぎも兼ねて3回に分けました・・・

週5更新結構しんどいもので・・・すみません。

 

以上で「どうやって指導教員を探すのか?」についてまとめます。

このメイン1個+サブ6個を全部実践すれば、間違いなく地雷教員を見つけることができます

でも、サブの中のどれか1つに当てはまる=即地雷というわけでもないので、総合的に判断をしてください。

まぁ、2個以上当てはまってれば指導教員にしてはダメでしょう。

メインの項目でヒットしない=即地雷です。

判断がつかなかったら私に「この教員はどうでしょうー?」って連絡してもらっても大丈夫です。

 

ここがポイント

  • 良い指導教員となりえるかどうかは、以下の7つでチェックできます
  • メイン Scopusでその先生の名前を検索してヒットするか
  • サブ1 3年以内にIF付き論文が出ているか
  • サブ2 継続して研究費を獲得できてるか
  • サブ3 WEBで情報発信をしているか
  • サブ4 過度に研究以外の業務を行っていないか
  • サブ5 ハゲタカ論文を出していないか
  • サブ6 学会発表だけ海外で論文は日本語の人

-雑記

© 2021 極小なことからコツコツと