教育も投資です
教育は自分の将来への投資です。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、海外では一旦働いて学費のお金を貯めてから大学に入学するという人もたくさんいます。
みなさんこんにちは。管理人のけんとです。
一応わたしも足の裏の米粒との呼び声が高い博士号をもっていますので、学部卒のひとよりも高等教育には思い入れはあります(たぶん)。
みなさん高等教育(大学教育)は投資だと思っているでしょうか?
働いている方からすると何をいまさらと思われるかもしれません。
でも、教育を受けている学生本人たちの多くはそのことを全く意識していないと思います。
学費も親に出してもらっている人は多いですし。
もったいないですね。
では、高等教育を投資で見た場合、ペイする案件(投資した費用に見合った利潤を回収できている)なのかどうかを確認してみましょう。

大学教育の投資的側面:便益と費用
大卒と高卒の賃金差
厚生労働省が毎年調査している「賃金構造基本統計調査」(2020)から、2019年度の男女別学歴別の平均的な生涯所得を計算したものが下の表になります。
高卒の人は18歳~65歳まで、大卒の人は22歳~65歳まで働くという前提での計算になります。
また、このデータは同一の人を生涯追跡して求めたものではなく、上記の年齢の人たちの年間平均所得を合計したという点も注意が必要です。
さらに、66歳以降も働く方はいると思いますが、統計データからは抜けてしまっていますのでそこは不明です。
生涯所得は高卒の男性で2億5,100万円、大卒の男性で2億9,900万円になっています。
女性だと、高卒で1億9,400万円、大卒で2億5,600万円です。
生涯所得全体で見ると、男性は4,733万円、女性は6,257万円も高卒より大卒のほうが多くなります。
個別データがないので検定はできませんが、男女ともにおそらく大卒のほうが生涯所得が高くなると言い切っても大丈夫でしょう。
特に、大学という教育投資の効果は女性の方が顕著であることがわかります。
大学進学による生涯所得の増加分は男性の1.5倍近くもあります。
いまでは女性も大学進学、社会で活躍しているので、徐々に男女間の生涯所得差は縮まると思われます。
大学の費用便益
大学に進学することで男性も女性も結構な生涯所得が増加します。
男性は4,733万円、女性は6,257万円の所得増加です。
これは教育を投資と考えた場合の利益に相当します。
では次に投資の費用についても考えていきましょう。
ざっくりと、大学4年間の学費が400万円(=100万円/年×4年)とします。
400万円の費用です。
400万円の費用で4,000万円以上の利益を生み出しています。
すごいですね!元手が10倍以上になって返ってきます。
(厳密には大学4年間の機会費用も考える必要があるのでもう少し元手費用はかかります)
そうそうこんなおいしい投資案件はありません。
したがって、高等教育は非常にすぐれた投資案件だと考えれます。
国公立大学だと学費はもっと安いですから、さらに投資案件としての魅力は高まります。
ただし、この結果はただしく解釈しないといけません。
これはあくまで、「平均的な大学生と平均的な高校生の比較」です。
なかには大学で遊びすぎてどうしようもない人(わたしですね)、高校ですさまじく頑張ったけど事情があり大学に行かなかった人などもいるでしょう。
個人個人に事情はありますから。
このような人たちは教育投資のリターンがもっと小さくなるはずです。
なので、あまり教育投資の利益がでずに、費用のほうが上回る人もいるかもしれません。
ここでの分析のように平均で考える場合は、森を見ているので、森の中の個別の木は見ていないですから。

まとめ
日本の大学は特段の事情がなければほぼほぼ大学は卒業できます。
この投資案件が破たんするリスクは相当低いです。
大学に進学することが金銭的に厳しい人もいるでしょうが、いまではたくさんの助成制度もあります。
今年2020年からは基準を満たせば無料にもなってます。
大学進学を一考することも価値はあるのではないでしょうか。
もちろん生涯所得が全てではありませんが、本ブログの副題は『「気づいてたら楽な生活になってた」そんな生活を夢見て』ですので、ここはつっこまないでもらえるとうれしいです。
厚労省の調査には別の面白いデータもあったのですが、長くなりそうなので別の記事で紹介します。
まとめます。
ここがポイント
- 大学進学を投資案件としてみると相当割のいい投資。男女ともに投資としてGOOD。
- 大学進学を投資として考える視点もアリですね。
- 写真のようなあの帽子投げはなんかあこがれる。