運用 雑記

【電気自動車(EV)】今後の価格、動向と課題は?その②

今日は先日の記事の続編、電気自動車(EV)が今後普及していくのか?という記事になります。

みなさんこんにちは。「極小なことからコツコツと」管理人のけんとです。

いつも夜に記事をアップロードしているので、正確にはこんばんはですが。

 

昨日の記事はこちらになります。

併せて読んでもらえると嬉しいです。

 

今日はまず、電気自動車の車体価格の現状比較をしつつ、今後コストが下がっていくのか?という予想を紹介します。

ついで、電気自動車にかかわる問題点について紹介します。

最後に、日本を含めたの電気自動車への政策動向について簡単に紹介したいと思います。

特に最後の政策動向は・・・結構しんどいので簡潔な紹介に留めさせてください。

機会があればきちんとまとめて紹介したいと思います(というかそれやると論文ですね・・・)。

 

けんと
毎回になりますが、このブログはただの情報提供です。

金融資産の運用は自己責任でお願いします。

 

コスト(価格):現状

まず、電気自動車の価格についてです。

電気自動車がそこまで普及しない要因の一つに、従来のガソリン自動車に比べて価格が高いという点が挙げられます。

また。電気自動車は車体価格自体がすでに高いのに、さらに充電スタンドを自宅に設置しないといけないという追加コストも生じます。

そのため、現在の日本市場では電気自動車が割高になってしまっているというのが現状ですね。

 

では、割と日本には馴染みのある日産リーフを例にとって、どの程度のコストがかかってしまうかと見てみましょう。

日産のリーフはいわゆるハッチバック(Cセグメント)のクルマです。

そこで、同セグメントに属するトヨタのプリウス、ホンダのシビック、マツダのMazda3と比較していきたいと思います。

普通にアクセラと検索したらヒットしなかったので、「ああ!Mazda3に名前が変わった」と気づくのに数秒かかりました(笑)

選んだグレードは以下の最廉価グレードです。

  • 日産 リーフ S
  • トヨタ プリウス 1.8E
  • ホンダ シビック 1.5
  • マツダ Mazda3 1.5S

 

コストとしては、車体価格、ガソリン・電気代、充電スタンド代、税金(自動車税のみ)の4種類とします。

前提として、10年間利用、年間1万キロ走行、ガソリン価格は130円、電気代は30.02円/kWh、割引率は国土交通省の推奨値4%で計算しています。

思った以上にリーフの電気代はかかりますね。

夜間のみ充電すれば、10年間で21.8万円まで抑えることはできます。

でも、結果として日産・リーフはやはりいちばんコストが高い!という結果になっています

種々の補助金があるので、実際にはもう少し安くなるとは思います。

ですが、プリウスとの差が90万円もありますので、結構リーフには補助金を入れないときびしそうです。

 

日産・リーフ トヨタ・プリウス ホンダ・シビック マツダ・Mazda3
車体価格 332.6万円 260.8万円 294.8万円 222.1万円
燃料代・電気代(10年分) 31.5万円 34.2万円 66.1万円 66.9万円
充電スタンド代 31万円 - - -
税金(10年分) 21.1万円 30.4万円 25.7万円 25.7万円
総費用 416.1万円 325.3万円 386.6万円 314.7万円

 

ホンダのシビックはもともと少し車体価格が高いのと、ノーマルガソリン車ということもあり、2番目にコストが高くなっています。

そのため、リーフとシビックとの差であれば、補助金によってリーフのほうがお得になりそうな感じでああります。

 

もう1点おもしろいのは、リーフの電気代がプリウスのガソリン代とあまり変わらないということです。

EVはエコフレンドリーではありますが、お財布事情を改善するかといえば、ランニングコストもハイブリッドとあまり変わらなそうですね。

もちろん、電気代が下がったり(夜間充電を多用したり)ガソリン価格が上昇すると、プリウスとリーフの価格差は縮まります。

 

EVはこうした実際のコストに加えて、出先で急速充電器を探す必要があるなど、目に見えないコスト(経済学では機会費用といいます)が生じてしまいます

これは馬鹿にならない大きさになるはずです。

有り体に言えば、手間・わずらわしさという間接的な費用です。

 

けんと
EVははやりまだ値が張ります

 

今後のコスト(価格)見通し

EVの車体価格

では、現段階では割高となってしまっているEVですが、今後のコストの見通しはどうなっているでしょうか。

結構記事がヒットしたのですが、以下では3つのみ紹介します。

これら3つの記事では2025年ころまでにはEVの価格がガソリン車の価格と同水準、または安くなると予想しています。

その大きな理由の一つが、リチウムイオン電池の価格低下によるもののようです。

内燃機関(エンジン)の大幅な技術革新の余地が殆どない一方で、EVには(特にバッテリー)にはその余地があるという予想がされているようです。

 

ビジネスジャーナルの記事(2020年6月25日付け)

EV、2025年にガソリン車と同じ価格水準に…リチウムイオン電池で技術革新、価格3分の1に

 

inside climate newsの記事(2020年7月30日)

"Inside Clean Energy: How Soon Will An EV Cost the Same as a Gasoline Vehicle? Sooner Than You Think"

 

OilPrice.comの記事(2020年2月22日)

"Drivers To Start Ditching Gasoline Cars for EVs As Early As 2025"

 

けんと
EVは徐々に、そして割とすぐに安くなってくるかも!?

 

EVのランニングコスト

ただし、このコストは車体価格のみのお話です。

さきほど紹介したように、現段階ではEVとガソリン車(ハイブリッド)のランニングコストあまり変わりません。

なので、仮にEVの価格がガソリン車の価格と同水準になっても、日本ではそこまでEVが魅力的とはならないかもしれないですね。

 

例えば、少し情報が古いですが電力中央研究所の論文では、日本は米国や英国、フランスより電気代が高いと書かれています。

(ドイツやデンマークよりは安いようです)

なので、車体も安くなるしランニングコストも安い米国や英国ではEVはとっても魅力的に写ります。

 

日本でも電力自由化によって電気代が安くなってきているとはいえ、米国よりも圧倒的に電気代が高いですから、米国と同等のEV加熱は起きないとは思われます。

 

けんと
日本の電気代の高さがEV普及の障害となる可能性はあります

 

各国の政策動向

技術革新が目まぐるしいEVに対して、各国の政策当局、とくにエネルギーや環境関連政策当局はどのような方針を打ち出しているでしょうか。

当然、EVは化石燃料を消費しないため、温室効果ガスを排出しません。

このことは経済活動の気候変動への影響を小さくすることに寄与します。

この点で、EVが少し費用がかかったとしても、補助金を導入して普及を促進することが合理性を持ちえます

学術論文Kang and Lee (2019)Qiuo et al. (2020)などは、気候変動対策としてEV普及は費用対効果が高いことを示しています。

 

では、各国のEVへの政策動向・目標をざっと紹介します。

下の表は各国の内燃機関車(ガソリン・ディーゼル車)の販売禁止の目標年です。

環境先進国の北米は2025~2030年と相当早い段階でEV(PHV・FCV含め)への切り替えを目指しているようです。

ただし、目標年はかなり流動的だとは思います。

日本は販売禁止とは言ってませんが、2050年にガソリン自動車をEV等に変更する目標を出しています

下のリストと比べると日本は一番遅いですね。

 

目標年
米国(カリフォルニア) 2045年
中国 2040年
シンガポール 2040年
イギリス 2035年
フランス 2040年
ドイツ 2030年
スウェーデン 2030年
ノルウェー 2025年
台湾 2040年

 

日本はEVで周回遅れと言われていますが、国の方針だけ見ても欧州や中国、(後インドも)よりも楽観的かなと思います。

米国については環境先進的なカリフォルニアが突出していますが、それ以外足並みなそこまでかな?という感じです(もちろん漏れがあるかもしれませんすみません)。

 

けんと
世界的にはEV普及は確実かと

 

懸念点:リサイクルと充電時間

日本はEVのコストが海外よりも相対的に高いですし、政府も前のめりではないということを紹介しました。

では、気候変動対策にとって有用なEVに関して、普及を促す阻害要因があるのでしょうか。

もちろん、オールドエコノミーとなってしまった石油産業や既存内燃機関自動車産業、それにかかわる産業にとってEVは面白くないですが、それ以外にもあまり注目されていない大きな懸念点があります。

それは、リチウムイオン電池のリサイクル問題(加えてその重さゆえの輸送問題もありそうです)です。

 

各国がこぞってEV(PHV含む)を普及させていくと、とんでもない数のリチウムイオン電池が生産されていきます。

当然バッテリーですから、消耗していき、最終的にはリユースあるいはリサイクルという工程を減ることになります。

しかし、EVに関しては前のめりで生産・販売・普及に注力しているため、使用後のことを考えていないように見受けられます

 

例えば、やっと今年になって段々とリサイクルに動き出しているというようなニュースもあります(こちらこちら)。

こちらの記事でも述べているように、リチウムイオン電池のリサイクルは本気で考えていく必要はあるでしょう。

そして、EV販売ほどではないにしろリサイクル産業にも大きなビジネスチャンスとなると思われます。

 

また、充電時間も大きな問題です。

夜間に自宅で充電している場合は特に問題はおきませんが、外出先で充電が必要なった場合、大きな時間がかかってしまいます。

急速充電でも30分~60分程度(電池容量に依存します)です。

この間、ぼーっと待っているんだと、ただの経済損失となってしまいます。

急速充電機の技術革新、または(あるいは同時に)その間に仕事をできるようなモバイル環境を充電スタンド周辺で整備していくことが必要かと思われます。

これらの懸念ポイントは経済悪化につながる要因となりえます。

 

けんと
電池のリサイクルと充電時間の短縮も大事だよね

 

まとめ

まとめます。

ここがポイント

  • ガソリン・ディーゼル車は将来なくなりそうです
  • 20年後の期待がすでに今の株価に織り込んまれている?かはわからないです
  • 確かに、現状はEVが割高ですが、このままだと日本はまたもやガラパゴスとなってしまうのでは?とも思えます
  • やはり内燃機関メインの既存自動車メーカーは、投資家にとって魅力的ではないですよね
  • でも、日産含め国内のEV性能はトップクラスですよ!(前記事)

 

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