新型コロナに加えて日本市場も暗い影が見えてきていて景気がどうだろう状態ですね。
わたしは基本的に長期投資好きなので、いずれにしろちょいちょい毎月買い足していくだけです。
みなさんこんにちは。管理人のけんとです。
しろうとなりに長期投資に向いている定番ETFをちょっと調べて見たので記事にしておきます。
備忘録を兼ねたものなので、笑覧いただければうれしいです。

もくじ
定番ETF4つ:VOO、VTI、VT、VWO
今日は米国ETF(上場投資信託:ETFは売り買い可能な株式の詰め合わせパックです。)の長期保有目的の定番ETF4種類を取り上げます。
それらはインデックス型の定番、VOO、VTI、VT、VWOの4つです。
インデックス型とは日経平均のような市場全体の指標と価格が連動するようにつくられていることを指します。
ご存じの方が多いと思うのですが、一応簡単にどのようなETFかという説明をさせてください。
頭にVがついていることが示していますが、バンガード社が作成しているETFになります。
それぞれ詰め合わせる株が変わっていて、それぞれの中身は下記です。
- VOO:S&P500
- VTI:米国株式
- VT:全世界株式
- VWO:新興国株式
これらのETFはこっちがいいあっちがいいと多くの議論がかわされています。
若干VWOを押す声は少ないとは感じます。
一応、今日の記事ではこの4つのETFの過去の価格を見て、おすすめを提案していきたいと思います。

その①:過去10年間の実績
4つのETFのうち、VOOは比較的新しいETFです。
2010年9月に発売開始となっています。
まだ運用開始して10年程度ですね。
VTIはその9年前の2001年から開始しています。
とりあえず2010年9月以降の月次価格を使って4つのETFの比較をしてみます。
2010年10月を1に基準化した価格推移を示したものが下図になります。
非常にわかりにくいのですが、VTIとVOOはほぼほぼ重なっています。
同じ米国株インデックス型だからだと思います。
2010年からしてみると、VTIとVOOは2.7倍以上の価格となっています。当時1万ドルで購入していた人は、今だと2.7万ドルになっているという破格っぷりです。
年利(複利)考えると約11.7%です。
ここ最近はGoogle・Apple・Facebook・Amazonに代表されるハイテク株の伸びで、VOOが少しだけ運用益がでてきるかなという感じですね。
2020年3月の新型コロナの影響で価格がドッと下がっていますが、2010年からしてみるとまだまだ高い水準です。
長期で考えると短期的な事象に一喜一憂する必要がないことがわかります(でもそれできないですよね)。
新興国メインのVWOのはこの10年は泣かず飛ばすの状態で、VTはVWOのとVOO/VTIのその中間という運用成績でしょうか。
そのため、過去10年の実績からを見ると、VTIとVOOはおすすめ、VTはそこそこ、VWOはぱっとしないという結果でした。

その②:類似指標の長期データ
次に、もっと長期のデータからそれぞれのETFの可能性を見てみたいと思います。
各ETFのインデックスに似通った指標の年平均値の前年変化率を考えていきたいと思います。
1999年に100だった指標が2000年に105となった場合、2000年の前年変化率は1.05となります。
S&P 500(VOO向け)
まず、VOO向けの指標であるS&P500を見てみましょう。日経225の米国版です。
(むしろ日経225が日本版S&P500か)
1971年~2020年までの50年間の前年変化率を見てみると、前年比で指標が改善した年が38年分、悪化した年が12年分あります。つまり、76%の確率で前年比で改善することになります。
大きく落ち込んでいるのは1974年のオイルショック後、2001年の大規模テロ、2009年のリーマンショックの頃です。
オイルショックは未経験なので当時の状況はわからないのですが、2001年の頃の映像はとてもショックだったのは覚えています。(おっさんですから!)
そのような状況でさえ、前年比で20%程度の下落です。15%以上の下落に直面した年は5年間ですね。
逆に15%以上の増加を果たした年は18年もあります!
そう思うと、S&P500は流行り手堅いですね。
過去のデータが今後も続くという前提で判断すれば、新型コロナで景気に影がおとすくらいなら、長期的には全く問題ないような勢いです。
ただし、現在は第4次産業革命と言われるくらいの過渡期ですから、C国次第で米国も停滞する可能性もなきしあるという指摘もあるかと思います。ですが、そのような可能性の議論をすれば何もできなくなります。

NYSE Composite(VTI向け)
次はニューヨーク証券取引所の株価指標であるNYSE Compositeです。
この指標は同取引所の株すべてをカバーしていますので、VTIに対応した指標といえるかと思います。
厳密にはCRSP US Total Market Indexを指標としているのですが、探しても長期データが取れなかったので、こちらで代用しています。
それで、さきほどと同様に図を作ってみた結果が下になります。
あれ?さっきと同じじゃ?という感じですがよく見てください!ほんのちょっと違います(笑
過去10年の実績でもVOOとVTIはほぼ同じでしたが、過去50年に拡張してもほぼ同じでした。
50年中前年比プラスが36年(72%)で、少しだけVOO(S&P500)よりは見劣りするかなという程度です。
ただし、15%以上の下落は2回、15%以上の高騰は15回となっていますので、S&P500より振り幅が小さくなっています。

MSCI ACWI(VT向け)
3つ目は、MSCI ACWI(All Country World Index)です。
その名の通りMSCI社が出している、全世界株式の指標です。
この指標はVTに対応します。
VTのベンチマークはFTSE All worldなので異なるのですが、FTSEよりもMSCIのほうが少しだけ長期にデータが取れるので、そちらを今回は採用しました。
また、FTSEとMSCIのデータの相関係数は0.9997と非常に高いので、ほぼ同じ指標であるとみなすことに問題はないかと思います。
ただし、S&PやNYSE Compositeと違って、2004年以降に作られた指標なので、16年分しかチェックができません。
指標をデータから作る事もできるかと思いますが、それだけのガッツがなかったです。
他に良い指標があれば教えてもらえたら嬉しいです。
こちらは16年中、10年(63%)で前年比プラスとなっています。
やはりVOOやVTIよりも前年より成長している割合が低くなっていますね。
前年比15%以上の増加を達成したのも5回、15%以上の下落を経験したのは2回になります。

MSCI EMI(VWO向け)
最後となる4つ目は、MSCI EMI(Emerging Market Index)です。
その名の通りMSCI社が出している、新興国株式の指標です。
VWOはFTSE All Cap Indexを指標とっいますが似た理由でここではMSCIにしています。
こちらもMSCI ACWIと同様に2005年からのデータになります。
過去10年の実績値では鳴かず飛ばずだったVWOです。
16年に伸ばしてみた場合は9回前年比プラス(56%)になります。
ほぼ半分がマイナス成長をしています。
また、15%以上の高騰は5回に対して、15%以上の下落は1回です。
儲かるときはやたら儲かる!でもちょっとしたマイナスもよく起こるという、投機に近い感じのETFな印象です。

その③:過去50年or16年間から計算する推測値
過去50年(S&P500とNYSE Composite)と16年(MSCI ACWIとMSCI EMI)のデータから、平均的な成長率を推測しました。
95%の信頼区間を設定しています。
過去のデータから推測される各ETFの平均成長率は下表のようになります。
これは95%の確率で下の範囲内の成長率が実現するという意味になります。
- VOO:4.5~12.0%
- VTI:3.8~11.1%
- VT:-1.6%~11.5%
- VWO:-3.5%~15.8%
VTとVWOはばらつきが多いため、最悪のケースではマイナスの成長率もありえます。
(またここでは見せてませんが、VTとVWOは0%以上となると統計的に言い切れません)
一方で、VOOとVTIは最悪のケースでもそれぞれ年成長率が4.5%、3.8%となっています。
超優良ETFです。
単純にVOOのほうがVTIよりも成長率が優れているので、どっちかを選ぶならS&P500のVOOになるかと思います。
あえてVTIを選ぶ理由はなさそうです。
もし、今後の世界情勢や米国の景気後退が気になるようでしたらVTもありでしょう。
ただし、マイナス成長もありえるということは注意してください。

まとめ
まとめます。
ここがポイント
- 米国の人気定番ETF4種の過去データをチェックしてみた。
- 一番優等生だったのはS&P500を対象のVOO!年間成長率は4.5~12.0%!
- 時点はVTIだけど、これ選ぶならVOOでOK。
- 米国のコントの見通しが気になるならVTもあり。
- VWOはいまのところ選択肢として無さそう。